第七章の附録 特設 疑問に答えるコーナー
（質問１） 「日本人は皆神である」という記述に引っ掛ります。森首相の発言と同義でしょうか。（質問者：小川氏）
答える前に。まず、質問を頂いた事を感謝致します。このホームページを作って初めての質問メールを呉れたのが彼であります。大変うれしく思います。
彼は、日本人以外の人々はどうなのか、が心配の様です。ご安心ください。私は、別の個所で「人間は神そのものである」と明記しました。従って、何人であろうと、混血して国籍が不明となっても、人間である以上は全能の神であります。我々は、人種、性別、年齢、職業、学歴、地位、身分、私有財産、知識、言語、国籍、宗教、民族、風俗習慣等一切の人間を限定する迷いから覚めるべきであります。そして、３００万年ほど前に、この地球に降誕したことを思い出すべきです。
ついでに言うと、誤解しやすい比喩ですが、人間の親が神だとすると、人間の子供は神の子に相違ありません。肉体人間を見ると、親がいて子供がいる、そして子供はやがて悟ろうと迷おうと関係無く親になる、というように現れて見えます。ところが、肉体人間は、スピリットとしての人間の影でありまして、本来の人間の一面が現れて見えるに過ぎません。人間の実相は五官感覚によっては捕らえることはできません。スピリット（霊）としての人間が本物の人間であり、神であります。まだ神として自覚ができない人は、肉体年齢に関係無く神（仏）としての本来の力量が発揮できませんから、神の子と呼ぶのが相応しいでしょう。さしあたり、世間の大多数の人間は大人も子供も神の子というべきですね。
つぎに、森首相の発言について意見を述べます。日本国の政権を担うということはこの国における最も重い荷物を背負うことであります。これほどの愛他的な苦労を買って出る人格者であれば、当然人間として正しい自覚に達している大菩薩であります。従って、彼（森首相）の発言はその真意において、私の日本国についての認識と完全に一致していて全く同義であります。
（質問２） なぜ、犯罪や戦争が繰り返されるのでしょうか。（質問者：小川氏）
重ねて、ご質問のメールを頂き感謝に耐えません。この質問はポピュラーであり、かつ深刻で重要であります。しかし、残念ですがこの質問に対する答えを一般論として述べることは出来ません。
百人の人がいれば、百の世界が存在します。現在地球上には約５０億人の人間がいるとすれば、５０億の世界があります。其の世界の中で、犯罪や戦争がある世界もあれば、無い世界もあります。
この世界を、たった一つの現象であると思うのは錯覚です。この世界が物質とエネルギーで構成された運動や波動であるという唯物論はすでに破綻しました。ニュウトンの力学と同様、人間の通常の五官感覚で判断してよい範囲のことであれば表面的な唯物論の認識でも足りるでしょう。しかし、現代の世界の全ての諸相を唯物論で片付けようとすると迷宮に入り失敗します。しかし、三界は唯心の所現とする単純な唯心論だと人間の数だけ世界があって、それぞれの世界がリンクされている事実を説明できませんね。人と人との深い結びつきを知れば、この世界が多重構造になっていて、全体として調和していることがわかります。完全円満な神の世界である、というのが人類としての正しい認識であります。
人間には世界を創造する能力があるのです。どのような世界であろうと望むままに作り出すことが出来ます。犯罪や戦争、一言で言うと「悪」でありますが、これを作ることも、これを消すことも人間の自由意思に委ねられているのです。従って、悪を欲しなければ悪は存在しません。
なぜ、悪があるのか、と言うと、其の人が悪の存在を認めているからです。
わたしの体験例をひとつ書きます。わたしは実際の戦争とか戦闘状態の経験はありません。しかし、目前で戦闘をし、其の村が戦争状態である場所に行ったことがあります。そこは、フィリピンのダバオの密林の村でした。わたしは、そこでプランテーションに適した農地を探していたのですが、目の前では子供や青年たちが木にバスケットボールの籠を縛り付けて、はだかでバスケットのシュウートのゲームをしていました。突然、機関銃の乱射音や爆発音が聞こえてきました。ついで、上空にヘリコプタが数機あわただしく飛び立って行きました。何人かの政府軍人が死亡したので、ヘリコプタで死体を運んでいるんだよ、と案内人は平然と説明するだけです。村人たちは相変わらずバスケットボールのシュートをやっていましたが、わたしは不安になってあわてて密林から逃げてきました。数百メートル先で戦闘があり、実際に殺害されていても戦争という政治に関与しない村人たちには花火の音ぐらいにしか感じられないのです。其の地域はかなり前から政府軍とゲリラとの戦闘が続いていたそうです。
ここで、戦争が存在しているのは政府軍とゲリラの指揮者及び戦闘員の想念の中だけであって、多くの村人たちは戦う理由がないし、政治のことはわからないので戦争は意識されません。つまり、戦争は村人にとって存在しないのです。わたしは当時政府軍の保護下で仕事をしていたので、ゲリラの攻撃を受ける可能性があったと想像されたので危険を感じたのでした。戦争は政治の延長であり、政治に関与した人だけがその当事者になるのです。政治目的を達成するために反対者を殺戮殲滅しようとする意思が多数の支持を得たとき戦闘が開始されます。
少数の民族や国家の利益だけを優先させるとき、互いの利益を守るために戦争になるのです。しかし、戦争は戦争を呼び、結果は破壊された廃墟の町や村と死体の山しかありません。愚かしいことであります。
私は、地球上から戦争や犯罪を一掃したいと切望しています。そして、其のために出来ることは、少なくとも私の周囲、私が関与し得る範囲でこつこつと平和社会を作っていくことしかないでしょう。それは、具体的にいうと、国家にとっても、職場や地域社会にとっても、周囲の知人や家族にとっても有益で好ましい生活をし、自身の健康と安全と繁栄を維持するということです。そのように努力することは各人の責任です。毎日、そのように精進しなければなりません。特権を求めたり、他人を妬むことは必要ありません。精進努力するとき、自分に必要なものは全て満たされ、さらに周囲の人々にその余慶が及ぶことが体験できるはずです。
犯罪と戦争はテーマが大きいので、多くの事例を検討しながら今後とも研究していきたいと思います。衆生病むがゆえにわれも病むしかないので、あえて斯かる煩悩病苦や犯罪戦争の渦巻く娑婆世界に出向して救済するのです。